「ホレホレアーカイブ」です。1980年のクリスマス、岩手県花巻市のデパートからのプレゼントはなんと、離れた人と電話で話せる無料のサービスでした。当時の時代背景も振り返ります。

1980年12月クリスマス商戦真っ只中の花巻市の商店街は、プレゼントを買い求める人たちで賑わっていました。
デパートの催事場にずらりと並ぶのは、臨時で設置されたという7台の電話。公衆電話ではありません。実はこれ、全国どこへでも無料で電話がかけられる「クリスマステレフォンサービス」という企画です。
この頃は出稼ぎなどで父親が離れて暮らす家庭も多く、電話代を気にせずに話をしてほしいとデパートが企画したクリスマスプレゼントです。
買い物客はメモを見ながらダイヤルを回し、家族の近況やふるさとの様子などをたっぷりと話していました。

このニュースが放送された1980年当時のダイヤル通話料金を見ると、区域内だと10円で3分間通話できたのに対して750キロを超える遠距離通話だと10円で通話できるのはわずか「2.5秒」。遠距離通話は大変なぜいたくだったんです。当時は遠距離恋愛で電話料金が月に2万円を超えたとか、深夜割引が適用される午後9時以降に電話したという話もよくあったそうです。