東日本大震災の被災地はあれから13回目の春を迎えました。被災地には震災にまつわる思いや願いが込められたサクラがあります。岩手県の陸前高田市と大槌町で取材しました。

 陸前高田市中心部を見渡す高台で、今年も河津桜が花を咲かせました。

岩手・陸前高田市

「きれいだね。サクラっていいね、やっぱり」

 このサクラは東日本大震災の記憶を後世に伝えようと2011年11月、津波が到達した地点に植えられました。海からの距離はおよそ3キロ、咲き誇る花はその美しさの一方で、津波の脅威と避難の大切さを伝えています。
 今年は「夜桜」を楽しめるようにと3月31日から3日間ライトアップが行われました。

(桜ライン311 岡本翔馬代表)
「震災から先日で丸12年経ちましたけども、これからどんどん賑わっていくまちに文字通り花を添えられたらということで実施させていただきました」


 「桜ライン311」にはこれまでに全国から7000人以上のボランティアが参加し、1万8000本を超える苗木を植えてきました。

(岡本代表)
「僕らのサクラの木はもともと追悼でスタートしていますので、そういう意味ではサクラって見る人によっていろんな思いがあって、それを全部受け止めてくれる木だと思っているので、これからも地域の人たちや見る方に寄り添って育ってくれたら嬉しい」

 このサクラには二度と津波で命を落とす人が出ないようにという強い願いが込められています。