岩手県陸前高田市に、一人前の漁師を目指し奮闘する若者がいます。東日本大震災の津波による被災から立ち上がった祖父と二人三脚で、幼いころからの夢を叶えます。
まだあどけなさの残る表情で船を操るのは、陸前高田市広田町袖野地区の新米漁師、小松龍介さん(20)です。

漁師歴50年の祖父・康男さん(74)とともに漁業を営んでいます。
この日2人はホタテの養殖作業に精を出していました。
成長を促すため、海からカゴを引き上げてホタテをきれいに洗い、新しいカゴに入れなおすのは手間のかかる作業です。
(小松龍介さん)
「自分の代になった時に困らないように今のうち、じいちゃんいるうちにいろんなこと教えてもらって、しっかり覚えてじいちゃんより上の漁師になってたいっていう感じです」
一生懸命働く龍介さんの姿に康男さんは目を細めます。

地元の県立高田高校海洋システム科で漁業の基礎を学んだあと、県立宮古水産高校の実習船「リアス丸」の船員として働いていた龍介さんですが、幼いころからの夢だった漁師になるため1年4か月で退職。去年8月から康男さんと海に出ています。安定した暮らしを捨てて漁師になることに対し周囲には反対する声もありましたが…
(小松龍介さん)
「やっぱ夢を捨てきれなくて、漁師をやりたいっていう。公務員安定してよかったんですけど、やっぱこっちに帰ってきてやりたいこと
やって自分なりに稼いでいきたいと思って漁師の道を選びました」
(小松康男さん)
「俺の子なら反対するんだけど、孫だからやっぱかわいいから反対されないのす」
