岩手県平泉町にある中尊寺金色堂は20日、建立から900年の節目を迎えました。
極楽浄土を表現したとされる金色堂の節目に合わせ、中尊寺では関係者が出席し記念の法要が執り行われました。

中尊寺金色堂は天治元年=1124年に奥州藤原氏の初代・藤原清衡が建立したものです。
金色堂の屋根の一番高い部分の木材=棟木には8月20日に建立されたと記されていて、20日が建立から900年の節目の日となります。
この節目に行われた「慶讃法要」には、中尊寺の僧侶やその家族、周辺住民などおよそ80人が集まりました。
参列者は焼香を終えると、本堂から金色堂までの道のりを仏を讃える歌を歌い、金色の花びらを撒きながら練り歩きました。
そして金色堂に向かってお経を唱え、900年に思いをはせて静かに手を合わせました。
道中では岩手県指定文化財の「梵鐘」が突かれました。

奥州藤原氏以後の歴史を伝える貴重な鐘で2023年の3月、東日本大震災の十三回忌以来となるやさしい鐘の音が響きわたりました。
(訪れた子どもたちは)
「群馬県から来ました。ぴかぴか光ってて迫力がすごかった。
(900年の長さどう思う?)ちょっとびっくり。人間で例えたら900歳」
(訪れた夫婦は)
「900年ですもんね、教科書に載っているのが本当にあったんだなってしみじみ思いました。平和を願って、そうなってほしいですね」
法要のあとには金色堂ゆかりの僧侶や学者たちが集まり、その歴史や魅力を語る講演会も開かれました。

(中尊寺 奥山元照貫首)
「金色堂の当時の祈りの形をこれから900年、清衡公の志を伝えていく使命を私たちは持っている」
極楽浄土=平和への祈りを込めて建てられた金色堂。
900年経った今もその願いは多くの人の心に受け継がれています。