故郷を離れ、危険を冒しても
吉野さんは、就学時に長期の入院を余儀なくされたため、小学校にも中学校にも通ったことがありません。勉強は当時、病院内で看護師さんらに教えてもらいながら自習を続け、「形だけは中学校を卒業したことになった(本人談)」ものの、学び直しをしたいと、去年、星友館中学校の開校と同時に入学しました。その前には、民間のボランティアが運営する夜間中学「札幌遠友塾(*注1)」にも通って、星友館への入学に備えて来ました。
現在は札幌市内で一人暮らしをしています。故郷は北海道東部の北見市で、それまで吉野さんは、家族と北見市内で暮らしていました。しかし通学のために家族と離れ、一人暮らしを始めました。
「入院中の勉強は、答えを教えてもらうだけだったんです。でも社会に出たら、それでは役に立たないと思っていたんです」
「一人暮らしは大変です。最初は靴を履くことも、一人ではできませんでした。食事も洗濯も買い物も用足しも、大変です。でも勉強して、社会に出たいんです」