ナレーションを務めた落合恵子さん(作家)からのコメント
「損得」と「忖度」。言葉の響きが似ているのも腹立たしいが、この二つが絡み合った政治はいつまで続くのか。
一市民としての当然の権利、表現の自由を拒絶する社会において、わたしたちは一体なにが可能なのか。
踏まれたビスケットのように崩れつつある民主主義をまずは取り戻すために、何ができるのか。
騒いでどうなる? なにも変わりはしない、と薄い笑いを浮かべて諦めるしかないのか。
この流れにブレーキをかけることができるのは、ジャーナリズムであり、わたしたち、ひとりひとりの市民しかいない。
いや、ジャーナリズムに身を置くものも、まずは自らが一市民であることを忘れてはならない。
言葉を発することに、ある種の覚悟を要するこの時代に、沈黙を破る思想と姿勢を後押ししてくれる本作品。
しっかりと受け止めたい。
もの言わぬジャーナリズムや市民が、もの言えぬ社会をつくることを、改めて心に刻んで。
