経営改善の取り組みの一環です。JR北海道は定期運行を終えた特急列車の車両の撮影会を20日、「有料」で開きました。

 夢中でシャッターを切る鉄道ファン。撮影していたのは、3月に定期運行を終えた特急列車「キハ183系」と呼ばれる車両です。

 国鉄時代の1986年にデビュー。札幌と道内の地方都市を結ぶ特急列車として活躍しました。

 運行開始から36年が経ち車両の老朽化が進んだため、3月で定期運行を終えました。

松本雅裕記者
「鉄道ファンから『イッパーサン』と親しまれてきたキハ183系の撮影会。定員60人のチケットは、発売からわずか2分で完売したということです」

 JR北海道は、廃車の前に、撮影会を「有料」で企画。お値段は「183系」にちなんで、1万8300円と少々高めに見えますが…

群馬県からの参加者
「全然安いです。こんなに車両に近いところで、好きなように撮らせてもらえるなら、いくらでも出しちゃうかな」

 この撮影会をデートの場所に選んだカップルも…

神奈川県からの参加者
「普段車両基地とか撮れる機会は少ないので」
「(同行した彼女)付き添い!付き添い!ハハハ、普段こんな近くで車両、見られないので」

撮影場所は、JRの車両工場。ヘルメットは絶対着用ですが前も後ろも、車体の下までも誰にも文句を言われず2時間半、心ゆくまで「推し活」できます。

宮城県からの参加者
「沿線で撮っていると、いろいろ気を遣うことってあるんですよ、周りの住民とか。そういうのを考えなくていいので」

 JR北海道は、去年から関係者以外は立ち入りが許されない工場を、一般に「有料」で見学させるイベントを試験的に開催しています。

JR北海道営業部 勝又康郎専任部長
「ファンが増えるということと、将来的に鉄道を支えていただける方を、多く増やしたい。ファン作りとともに、弊社の少しでも経営改善の一助にできればと考えています」

 利用者の減少で鉄道の収入が伸び悩む中、「推し活」を新たな収入源につなげられるか模索を続けています。