《唐揚げ屋さんの特大おにぎり…冷たい雨の夜、心を温めた出会い》
ロバのクサツネと歩く海岸沿いの道。すぐ横には高い防潮堤が続き、海と陸を隔てています。

高田晃太郎さん(元新聞記者)
「やっと北上川が見えてきた。ここからもうほぼ平坦だな」
クサツネは、青草を食べて、ひと休み。お腹いっぱいになり満足したのか、独特の鳴き声をあげます。
高田晃太郎さん(元新聞記者)
「みんなクサツネの鳴き声に『なんだ?』って顔している」

石巻市の釣石神社に立ち寄り、高田さんも休憩タイムです。境内の石段横には、神社の名前の由来にもなったという“落ちそうで落ちない巨石”があります。過去の地震にも耐え、東日本大震災でも動くことがなかった巨石には、多くの受験生が願いを託しています。

高田さんが、神社の敷地にある唐揚げ店『こっこ屋』を訪ねると…。
高田晃太郎さん
「こんにちは、唐揚げ弁当を…」
こっこ屋 武山幸江さん
「もしかして“クサちゃん”連れてきた?」
高田晃太郎さん
「誰かから聞いたんですか?」

クサツネを連れた旅人の姿は、やはり道中でも目立つようです。この唐揚げ店は、海外の旅行者も訪ねる有名店らしいのですが、さすがにロバを連れた旅人は初めてとのことです。
こっこ屋 武山幸江さん
「クサツネが来た、かわいい!もうずいぶん懐っこいのね」
クサツネが店を切り盛り女性に頭をこすりつけ、軽くパクリと甘噛みです。
こっこ屋 武山幸江さん
「イテッ!私を食っても旨くねぇぞ、ばぁさんだから」「ちょっとばあちゃんさ、夜食用におにぎり作ってくるから待ってて…」

高田晃太郎さん
「すごくデカい“おにぎり”を作ってくれています。唐揚げ付きで…」
店の女性が用意してくれたのは、ビッグサイズのおにぎり2個と大きな唐揚げです。
高田晃太郎さん「そんなにたくさん」
こっこ屋 武山幸江さん「いいの食べなさい、食べなさい」

その日の夜は、12月の冷たい雨が降る中で、テントを張って野宿。冬の寒さが身に染みる夜でしたが、旅先で触れた温かな人情に、高田さんの心は満たされていました。







