北海道内で深刻化する、地方議員のなり手不足。オホーツク海側の興部町ではなり手不足を解消しようと、未来の町議を育成する取り組みが始まりました。

人口およそ3500人のマチ、興部町。この町は町議会議員のなり手がいないという深刻な問題を抱えています。


興部町議会は2015年の選挙以降、3回連続で無投票となっていて、2023年の選挙では定員割れ。現在は、定員9人のところを8人で運営しています。

興部町議会 藤渡昭博議長
「皆さんの中から一人でも多くの方が立候補されることを期待申し上げ、開校にあたっての挨拶といたします」


そんな状況を解消しようと議会が今年から新たに始めた取り組みが「議員の学校」。

現役の町議から議会についての講義を受けるほか、「委員会」や「一般質問」などの仕事も体験します。

初日の17日は町内外に住む20代から50代の8人が参加して、議会の基本的な仕組みについて学びました。


参加した人
「前回の統一選で割れていると聞いて、自分も力になりたいなと」
「きっちりした中にアットホームな雰囲気があったのでまた次回もしっかり参加して学んでいきたい」
「出馬は私の思いはあるんですけど、家族会議にかけないと。興味はめっちゃあります」


興部町議会 竹内清副議長
「女性男性、年齢問わず興味を持ってもらいたいというのが一番の目標です」

「議員の学校」はなり手不足解消の一手となるのか、同じ問題を抱える道内の町村議会からも注目が集まっています。

◆統一地方選の町村議会議員選挙で無投票当選となった人の割合の推移(総務省)


全国の町村議会議員選挙で無投票当選の割合は年々増加していて、直近の2023年では全体の30.3パーセント、123の町村議会が無投票当選でした。


北海道はさらに深刻な状況となっていて、選挙のあった100町村のうち、およそ半数の48町村が無投票当選。このうち11町村が定員割れでした。(道選管)

なり手不足の原因は、人口減少のほかに低い議員報酬など待遇面の問題もあるようです。

興部町では2年後に町議選を控えていて、今回の取り組みで立候補者が増えることを期待しています。