■アライグマの習性を逆手に新開発のワナ登場
これは池田名誉教授らが開発した巣箱型のワナです。その効果は…
北海道大学 池田透 名誉教授
「体がスポっとはまるような空間を置いておくと、ワナは餌がいりません。」
アライグマは、自分が休むのに適した場所を見つけると恐れることなく入っていきます。
警戒心より好奇心が強いのです。
ワナの中にエサを入れておく必要がないため、クマを引き寄せる心配もありません。
さらにアライグマがワナにかかると、メールで情報が送られてくるので毎日ワナを見回る手間が大幅に減ります。
この巣箱型のワナ『らく~んキャッチャー』は2025年4月から1つ5万円で発売され、月1万円からのレンタルも行っています。
北海道大学 池田透 名誉教授
「初期投資はあるが、その後の人件費を考えると大幅なコストダウンに」
長沼町は「タンチョウも住める町づくり」を掲げて生息環境を整備していますが、タンチョウのヒナや幼鳥は、アライグマにとって格好の獲物です。
この対策にも巣箱型のワナが導入され、タンチョウの保護に一役買っています。
巣箱型のワナは、現在、北海道内で約150個稼働していますが、池田名誉教授はさらなる普及でアライグマ対策を進めたいとしています。
北海道大学 池田透 名誉教授
「(アライグマは)都会で生活するのも何も苦にならない動物です。放置していたら当然札幌、旭川、そういう都市にどんどんアライグマが入り込んでくる。被害を受けている農家さんだけではなく地域全体で社会的なサポートをしていくそういう体制が望まれる」