高齢者の自宅に弁当を届ける「配食サービス」。安否確認を兼ねた生活と健康を支える現場を取材しました。
■99歳の現場に優しいサプライズ
丁寧に盛り付けられていくあえ物や魚。品数豊富で、見るからに栄養満点です。
弁当の上には、「刻み」や「大盛り」の文字。
さらに、紙には「不在時連絡すること」と書かれています。
大量の弁当が向かう先は…
「お弁当です」
高齢者の住宅です。
高齢者用の弁当配達を行う『ライフデリ手稲店』のオーナー、清野秀明さん49歳です。
札幌市手稲区と南区の高齢者に弁当を届けるとともに、手渡しすることで安否確認も行います。
この店では、昼食と夕食の1日2回。下は52歳から上は101歳まで、のべ160人ほどに弁当を届けます。

・清野秀明さん
「ただ弁当届けるだけじゃなくて、お客さんと一言二言しゃべるだけで、何となくきょう調子良さそうだなとか毎日見てればわかる人もいるので、気を付けながらコミュニケーション取る」

札幌のこちらの男性も弁当を楽しみに待つ1人。
最近、自宅で転倒することも多くなり、日常生活に不安を感じています。
・配食サービスを利用する男性(99)
「(負担を)減らすためにお願いしたのさ。自分でやってたんだよね、だけどとってもかなわないから」
午後4時すぎ、弁当が到着します。弁当が到着します。
・清野さん
「お誕生日おめでとうございます」
「よかった、きょうも元気で」
配食サービスを使い始めて1年ほど、夕食の時間は毎日決まっています。
午後6時のこの鐘が夕食の合図。取り出した弁当にはこの日が誕生日の男性に小さなサプライズがありました。

「男性99歳お誕生日おめでとう」
・男性(99)
「あぁ、どうもありがとう」
同居する娘が炊いたごはんを茶碗に盛りつけて…
・男性(99)
「いただきます。(お味はいかがです?)いいよ~」
「運んでもらうんだからありがたい話だよ」
栄養のバランスがとれた弁当は1食およそ600円。
高齢者の生活と健康を支える「配食サービス」は高齢化の時代に必要不可欠となっています。