◇《そもそも政府の“備蓄米”とは…おいしさは?》
堀内大輝アナウンサー)
そもそも、政府がコメを備蓄するようになったのは、1993年の冷夏によるコメ不足がきっかけでした。凶作や災害で、コメの供給量が大幅に足りない時に備えて、全国の倉庫にあわせて100万トン程度保管されています。
これまで東日本大震災の時などに放出されていました。流通を円滑にすることを目的に放出されるのは初めてです。
堀啓知キャスター)
“備蓄”という言葉から、お米の味が落ちているのではないか…そんな印象も持たれがちですが、実際にはどうなんでしょうか。
堀内大輝アナ)
政府は、備蓄米を最大21万トン放出するとしていて、はじめに放出される15万トンのうち、10万トンは去年、生産されたコメです。残りの5万トンは、2年前に生産されたコメとなっています。

堀啓知キャスター)
去年のコメであれば、私たちが食べているものと、鮮度としては同じということですね。
◇《最大21万トンの“備蓄米”放出で店頭価格は落ち着くのか?》
ところで、肝心なコメの価格はどうなるでしょうか。
堀内大輝アナ)
そもそも、いまコメの価格が高騰しているのは、一部の業者が米不足を恐れたり、より高く売れるタイミングを狙ったりして、コメを自分のところにストックしている状況があるとみられています。
コメの流通に詳しい宇都宮大学の小川真如(おがわ・まさゆき)助教は、今後のコメの価格について、こう見通しています。
・「業者がコメを“売り渋る”メリットがなくなるので、コメ全体の価格は下がるとみられる」
・「ただし“備蓄米”はさまざまな品種があることから、まず流通するのは外食や弁当など」
・「さらにディスカウントショップなどと考えられ、一般のスーパーなどで購入するコメの値下げにはつながらない可能性も」
堀啓知キャスター)
猛暑だとか、インバウンド需要の増加だとか、買いだめだとか…、こういう事態はいつでも起こり得ることなので、そのたびに右往左往するのではない、そうした普段からの何か取り組みについて、今後は、もっと考えていかなくてはいけないと感じています。