■「上下」ではなく、「対等」な関係をつなぎあう
チッチさんは、桃井さんとミャンマーの民主化などについて活動する下郷沙季さん34歳と、3人暮らしです。
・下郷沙季さん(34)
「ストレスを1日の終わりには解消できる。帰って2人がいない時に『あーっ!』となっちゃう」
・チッチさん(29)
「わかる私も」
・下郷沙季さん(34)
「きょうイラつくことあったのに!って」
下郷さんは、デモに参加する前、遊歩さんからかけられた言葉が印象に残っているといいます。

・下郷沙季さん(34)
「もし捕まって友達を売るように言われたら絶対に自分(遊歩)を売れって。仲間を守るとかこの運動を成功させるじゃなくて『この運動よりもあなたが大事だよ』みたいな」

介助する側と、される側。「上下」ではなく、「対等」な関係をつなぎあう。チッチさんの心にも刻まれています。

・チッチさん(29)
「遊歩さんとのケンカの内容は本当に親子みたい。『何々しなさい』『いや私はこれがしたい』みたいな。でもそれを自分の仕事の利用者(の遊歩)としているというのがすごく面白い。日々重度の身体障害の人と一緒にいて、手を離さないこと、1回できた関係を絶対に手放さないことが私の中で社会運動している感覚があって」
遊歩さんは、動物由来の食べ物を口にしないヴィーガン。障害がある人たちへの差別と畜産動物が置かれている状況が似ていると感じているからです。