■あたし、「卒業」します!
9月15日に行われた「さっぽろレインボープライド」。
性の多様性について多くの人に知ってもらい、差別の解消などにつなげようと、当事者や支援者らがパレードをしました。1000人以上が参加し、過去最多の人数を更新しました。

「きょうは、いまお気に入りの女性アーティストの格好を真似してみました」
日によって、こころが女性のときもあるちかさんは、この日は久しぶりにスカートをはきました。

ちかさんときみちゃんは共働きなので、みぃくんは保育園に通っています。ちかさんは「送り」の担当、きみちゃんは「お迎え」の担当です。実はちかさんは、みぃくんと向き合う時間をもっと確保するために、半年前にある決断をしていました。

3月30日午後6時半すぎ。わたしは、カメラマンと一緒に札幌ススキノのはずれにあるバー『7丁目のパウダールーム』に向かいました。この日でちかさんは、6年間勤めたこの店を卒業することを決めていました。
これまでも独創的な格好をして、お客さんを楽しませてきたちかさん。午後7時の開店を前に、おもむろに白のファンデーションを指にとり、顔全体に塗っていきます。
「最終日、白塗りなの?」
店長の満島てる子さんは、すかさずつっこみます。
