北海道函館市に住む、武山和雄(たけやま かずお)さん87歳。
70年前、洞爺丸台風で、十勝丸の乗組員だった父、常雄(つねお)さんを亡くしました。
武山和雄さん(87)
「とにかく子ぼんのうで、息子自慢」
当時、武山さんは大学受験を控えた高校3年生。
大黒柱を失い、進学してジャーナリストになる夢を諦めました。

武山和雄さん(87)
「(遺体と対面し)ぼう然として涙一つでなかった。泣いたのは葬式のときだった。絶望というか、わが人生は終わりと思った。夢も希望もない」
国鉄は遺族補償として武山さんを連絡船の乗組員に採用しました。
武山和雄さん(87)
「みじめだったのは同期は大学行くやつは行っている。連絡船に乗って帰ってくる。私も、ああなるはずだったと思ったら恨んだ」