元横綱・白鵬の宮城野親方が、9日、日本相撲協会を退職しました。2021年9月に現役引退するまで、史上最多の優勝45度を誇るなど多くの記録を残しましたが、去年2月に発覚した弟子による暴行問題では、2階級降格などの処分を受けました。
自らの宮城野部屋は閉鎖となり、去年4月、部屋付き親方として伊勢ケ浜部屋に移籍。部屋の再開が見通せないなど処遇に不満を抱えていたとも言われています。
9日、東京都内で記者会見した宮城野親方は「外の立場から相撲を発展させたい。相撲を世界に広げていくプロジェクトを中心に活動していく」と語りました。
降格処分などの発端となった弟子による暴行問題とは、どんなものだったのか?当時の記事を振り返ります。(※以下は2024年2月25日に配信したものを再構成しました)
後輩力士に暴力行為をくり返し、引退することになった大相撲の幕内力士、北青鵬(ほくせいほう)…5歳から暮らし、今も実家がある地元・札幌市の恩師らは、驚き、嘆き、惜しむと共に、相撲界全体に苦言、体質改善を求めています。
日本相撲協会が去年2月23日、明らかにした北青鵬の暴力行為…2人の後輩力士に対し、殴る、突き飛ばすなどをくり返していただけでなく、睾丸への平手打ち、指に瞬間接着剤を塗る、殺虫剤スプレーに火を点けて近づけるなど、陰湿で、おぞましいものでした。
本人は深く反省し、二度とくり返さない旨を誓約、いかなる処分も受け入れるとしながら、当初、相撲を続けることを希望していたといいます。

しかし、被害を受けた2人の後輩力士をはじめ、他の力士らの多くも北青鵬に反省の態度が認められず、宮城野部屋に残ることになれば、必ず暴行をくり返すと供述、部屋への復帰を拒絶したということで、引退勧告、自ら提出した引退届の受理に至りました。
合わせて元横綱・白鵬の宮城野親方も監督責任を問われ、2階級降格、20%3か月の報酬減額の懲戒処分となっています。

北青鵬はモンゴルで生まれ、5歳から札幌市東区で育った22歳…2020年3月の春場所の初土俵以来、2メートル超の長身を活かし、相手の肩口越しに上手を取るなど、時に強引とも見られる取り口ながら、21年9月の秋場所で新十両、23年3月の春場所で新入幕となるなど、順調に番付を上げてきました。