制度を立ち上げた本田優子教授の元には当初、逆差別だとの批判が相次いだといいます。

 本田優子教授
「アイヌの若者たちと一緒になって、そういう異文化的な多文化的な環境の中にマジョリティの学生も身を置くことによって、多様性の感覚が培われると。だからこれは決してアイヌの若者たちだけのものではなくて、マジョリティの学生たちが成熟していくためのうちの教育理念に沿った人間として育っていくためのプロジェクトなんだと」


 大学4年の結城泰さんは、ウレシパクラブの学生共同代表としてメンバーを束ねています。
 両親ともにアイヌである結城さんは普段、表立って差別やヘイトを受けることはないと言いますが…

結城泰さん
「純血の方なんですか?あとアイヌ何世なんですか?とか聞かれたことがあって。
なんかそれはそっちのステレオにはめているだけであって、こっちには無い型なんで。なんかモヤってする感じですよね。差別っていうか無知ゆえに出てくる発言なのかなって思います」


 インターネット上の差別的な投稿は「ストレスのはけ口」なのではないかと冷静な目で見ています。

結城泰さん
「差別があったとか差別体験とかのエピソードのネガティブキャンペーンは、僕あまり好きじゃなくて、ネガティブを伝えるのはネガティブにまた伝わるじゃないですがネガティブって影響する感染していくと思うので。でもそういう事実があったっていうのは伝えていくべきだとは思います。こういう差別の歴史があった、今も差別があるっていうのは」

多原良子さん


 「ウレシパ」の意味はアイヌ語で「育て合い」。
 アイヌ文化への関心が高まる今、差別の歴史を理解することも必要とされています。