その一方で、地元・長久手市は?
(長久手市観光交流協会 加藤正純事務局長)
「来園後に、そのまま帰る人がほとんど。長久手市内に、たくさんの方が来ているかというと、実感は非常に薄いというのが本音です」
多くの来園者がパークで遊んだ後には、名古屋市などに移動。
長久手市への経済効果は薄かったといいます、そこで…。

パークから車で10分の「長久手温泉ござらっせ」。
ここではパークのチケットを持つ客に対し、この1年に施設利用料を割り引く「ジブリ割」を実施してきました。
しかし、ジブリ割を使った人は、ことし10月までで2000人あまり。
利用客の0.6%にとどまっています。

その一因には、こんなことも…。
(長久手市観光交流協会 加藤正純事務局長)
「長久手にホテルを作るという考えは、これまでありませんでした。住宅地を形成するということで、まちづくりを進めておりましたので」
実は、市内に観光客向けのホテルや旅館は1つもないのです。
長期滞在ができないため、飲食店や土産店などに落ちるお金も少なく「ジブリ」の旨味は薄いのです、そんな中。

(報告:横山朋未記者)
「こちら長久手市内唯一の民泊です。玄関ではトトロのぬいぐるみがお出迎えしてくれるんです」
2022年12月、パークから車で5分ほどのところに市内初の「民泊」がオープン。
今回、テレビ初潜入です!!

(民泊「オリーブとぶどう」 山下孝司オーナー)
「滞在してもらわないと、その土地の良さをなかなか伝えられない。その第1号として、きっかけになればと思って民泊を始めた」
1組1棟貸しで最大11人まで、ペットの宿泊も可能です。
4部屋ある寝室は「湯婆婆(ゆばーば)の寝室」や「キキの寝室」などジブリ作品をコンセプトにしていて、そのほか卓球や庭でバーベキューも楽しめます。
(民泊「オリーブとぶどう」 山下孝司オーナー)
「おかげさまで10月・11月・12月・1月まで予約が埋まっている状況」
絶好調な民泊「オリーブとぶどう」。
山下さんは来年の春には、もう1つ民泊をオープンさせたいと話します。

今回、関東地方から来てパークを楽しみ2泊したという家族は。
(宿泊客)
「近くに天然温泉もあって、お風呂も楽しませていただいたり。ジブリパークにも、すぐに行けたので良かった」
「部屋の中もジブリ仕様になっていて、おもしろかった」

オープン以来、客は世界中から…。
(民泊「オリーブとぶどう」 山下孝司オーナー)
「(日本と海外からの宿泊客の割合は)半々くらい」
しかし、外国人たちから悲痛な声が聞こえてくるそうで…。
(民泊「オリーブとぶどう」 山下孝司オーナー)
「(タクシーの)乗車拒否にあったと外国人客の何人かから聞いた。(市内の)外国人対応が正直全然できていない。商売サービス業の人が率先して受けいれる姿勢を持たないとだめ」
山下さんは長久手市や周辺の街をあげて「おもてなし」の土壌づくりが急務だと訴えます。
せっかくの「ジブリ効果」を、どう地元に取り込むことができるのか?
模索は続きそうです。