愛知県豊田市の明治用水で、大規模な漏水が発生してから17日で1か月です。農業用水は制限付きでの利用となっていますが、今後の収穫に影響は?また、復旧工事については梅雨の時期だからこその心配があるようです。
4日に1度の制限続けば コメやイチジクに深刻な影響が…
(宮田あやか記者)
「大規模漏水が発生してから17日で1か月…頭首工(とうしゅこう)の近くでは、道路を通行止めにして、クレーン車を稼働させていて、本格的な給水に向け、連日作業が行われています」
愛知県豊田市の、明治用水頭首工で起きた大規模漏水から、17日で1か月。現場では応急ポンプで水をくみ上げる作業が続きますが、いまも西三河地方では工業用水や農業用水の利用が制限されています。
「(例年と比べて)稲の成長はそこそこ」
愛知・安城市のコメ農家 石川和明さん(69)。
突然農業用水が使えなくなった5月 、田植え本番という時期に、一部の田んぼが干上がってしまいましたが…
5月30日からは4日に1度、農業用水を利用することができるように。
稲の全滅の危機は脱しましたが、これで一安心とはいかないようで…
(安城市 コメ農家 石川和明さん)
Q.田んぼの中に見える稲じゃないものは何?
「あれはイネ科の雑草で、普段はこんなに出ない」
水の供給が一時止まった影響で、ことしは適切なタイミングで除草剤をまくことができず、あちらこちらに雑草が…そのため、
(安城市 コメ農家 石川和明さん)
「稲の肥料が少なくなってしまう。今度は稲の生長に影響が出てくる」
一方、同じく安城市でイチジクを育てている長澤昭義さん(78)は…
(安城市 イチジク農家 長澤昭義さん)
「水が7月に入っても4日に1度だったら、根が弱ってしまう」
農業用水の制限がこのまま続くと、今後、イチジクの出来に、深刻な影響がでると心配します。
長澤さんは4日に1度の農業用水の利用と合わせて、自治体の浄水場から運んできた水を使ったり、雨水をためてやりくりしてきました。
そして、15日は、イチジクの実が付き始めているのを確認できました。
今後、夏場には毎日2回の水やりが必要で、梅雨明けまでに水の利用制限が解除されないと、生育に大きな影響が出るといいます。もしも、制限が続くと…
(安城市 イチジク農家 長澤昭義さん)
「(実が)大きくならない。中がパサパサになって食べられない。出荷どころじゃない」
農家の皆さんに笑顔が戻るには至っていませんが、現場では供給する水の量を元に戻すための工事が行われています。