
実は羽生九段は、長年タイトルを持っていたんですが2018年にタイトルを全て失いました。
その翌年からの5年間を見てみますと、2019年度は勝率6割を切るぐらいだったんですね。この時に「かかと」を痛めます。
その翌年、さらに勝率が下がり、痛めた「かかと」の影響で絶不調に陥ったのが2021年度、その時の勝率は3割台まで落ち込んでしまいました。

羽生さんの時代は終わったのかと、皆さん心配しましたが、その翌年には「かかと」も治って勝率が6割台に復帰。さらに2023年度は9勝4敗で勝率が7割近いんです。
ここ数年で抜群の成績で、しかも日本将棋連盟の新しい会長にも就任いたしました。今、完全復活を遂げている状況と言ってもいいわけですね。

羽生九段、御年52歳、調子を上げてきた理由は何なのでしょうか。藤井七冠の師匠、杉本八段に聞いてみました。
「藤井七冠との王将戦でタイトルは獲得できなかったが2勝したことで、再び自信を取り戻したのではないか」と話していました。
つまり「もう駄目なのか」と思っていたけれども、今「イケイケ」の藤井七冠とやってみたら2勝できたことで「まだまだ自分はいけるんではないか」と確信したのではないかという話なんですね。

持ち時間5時間で負けたら終わりのトーナメントですけれども、最後の最後で勝敗を分ける「ひらめき」、直感力が生まれるのはどちらなのか、これは気になりますね。