史上最年少で「名人」となった藤井七冠が全冠制覇に前進するか。
28日は東京の将棋会館で、唯一残るタイトル「王座」への初挑戦を目指し、挑戦者決定トーナメント・準決勝に臨んでいます。

この対局を含め2勝すれば、来る王座戦で永瀬拓矢王座に挑むことができます。
しかし、負ければ即敗退の対局。
トーナメント準決勝で立ちはだかるのは、史上初の全七冠制覇で国民栄誉賞を受賞した将棋界のレジェンド・羽生善治九段です。

羽生九段との対局は2023年3月の「王将戦」七番勝負以来。
このときは想定外の差し回しに苦戦して第6局までもつれこみ、4勝2敗で羽生九段の挑戦を退けました。
後日、藤井七冠は羽生九段について…。
(藤井聡太七冠)
「羽生九段の自分にはない柔軟さ、大局観を感じるところが多かったので、貴重な経験ができたシリーズだったと感じています」
羽生九段は前人未踏のタイトル獲得通算100期を目指しています。現在99期、達成はいつになるのか注目されています。
6月9日には、日本将棋連盟の会長にも就任。将棋界全体を牽引する活躍がさらに期待されています。
就任時の挨拶では…。
(日本将棋連盟新会長 羽生善治九段)
「藤井聡太さんの活躍もあり、将棋の世界が大きな注目を集めている。子ども達の世代に将棋の素晴らしさや奥深さを伝えていけたら」
羽生「会長」から、将棋界の発展になくてはならない存在と認められる藤井七冠。
6月17日に行われたトークショーで、改めて全8冠制覇への意欲について聞かれると…。
(藤井聡太七冠)
「全くないというとあれですが、ほとんどなくて…。チャンスは限られているので、できることなら(チャンスを)生かしたい気持ちはあるんですけど」
その藤井七冠は、6月20日に行われた王座戦の挑戦者決定トーナメント準々決勝で村田顕弘六段に大苦戦。
AIが対局中に分析した勝利の確率は途中6%にまで落ち大ピンチ。
今年度での八冠達成は無理かと思われましたが…。
(藤井聡太七冠)
「終盤も苦しい局面がずっと続いていて、最後の最後に勝ち目があったかなと思います」
持ち時間を使い切った中、相手の隙を見逃さず、最終盤にきての大逆転勝利!
全冠制覇のチャンスは途切れませんでした。