就職希望者殺到!自由すぎる労働環境で自分らしく働く

午前9時、会社の朝礼を終え、従業員はそれぞれの持ち場へと散っていきます。ところが、朝礼が終わった後に、堂々と出勤してくる社員の姿が。通常なら遅刻になりそうですが…。

(従業員)
「(Q出勤時間は?)いや、特にないです。子どもを保育園に送って、家のことをちょっとしてから出勤している」

これが坂口流、異次元の働き方改革の一つです。子育てなどプライベートとの両立が問題なくできるよう、当日の急な休みも認め、出退勤時間は自由に。残業も基本的に廃止しました。さらに、坂口さんに工場内を案内してもらうと、なんと、78歳の新入社員さんを紹介してくれました。

(坂口捺染・坂口輝光社長)
「藤井さん、向こうでゲートボールやってて『俺、元気やで』って急に来て。『雇って』ってなって『おお、いいよ』ってなったんやね。」

働く意欲があれば年齢は一切関係なく採用しています。

(坂口捺染・坂口輝光社長)
「先々月入社したのは、86歳。ゆくゆくは定年退職もなしにする」

坂口さんが徹底しているのは、「従業員第一主義」です。その結果、就職希望者が殺到し、多くの企業が悩む人手不足とは無縁。会社の安定した成長に繋がっているといいます。

会社に駄菓子屋!?子どもたちの居場所作りも

坂口捺染で実際に働いている従業員は、やりたいことができ、自信を持って働けると感じています。

(坂口捺染・坂口輝光社長)
「社員が『この会社ブラックだわ』とか、『辞めたい、辞めたい』と言っている会社に、いい商品は結局生まれない。従業員が満足して仕事することで、お客さま満足度につながる」

午前中、立て続けに打ち合わせをこなした坂口さん。午後は近所に建設したばかりの巨大看板の状況確認など、次々とスケジュールをこなしていきます。夕方になると、会社に次々と子ども達がやってきました。2年前、社内に駄菓子屋をオープンしたのです。従業員が働いている間の子ども達の居場所を作りも、坂口流の働き方改革です。

(坂口捺染・坂口輝光社長)
「ジュース、アイスクリーム、ちょろっとお吸い物とかがあって、あとは文房具。文房具は帰りにパートさんたちが、子どものために買えたら便利」

そして午後6時に帰宅。夕食はいつも、家族3世代で囲むスタイルが坂口流です。

地域に必要とされる企業に!複合施設建設に向けた思い

2023年5月23日、坂口さんは愛用のバイクで会社近くにある360坪の敷地へ。この敷地に、託児所やカフェ、それにジムやサウナまで備えた巨大複合施設の建設を計画しています。
事業費は1億5000万円です。

(坂口捺染・坂口輝光社長)
「これからの時代、周りの人たちに必要とされる企業じゃないと残っていけない。ここに来て育った子どもたちが、うちに就職してくれればいい」

これからは従業員だけでなく、地域から愛され、必要とされる企業へ。妥協する気は一切ありません。

(坂口捺染・坂口輝光社長)
「最後は自分が死んだときに、どれだけの人が笑って泣いてくれるか。この人数かなと思うので、そのためにできることはやりたい」

坂口流改革は、これからも続きます。
CBCテレビ「チャント!」5月30日放送より