迷惑を掛けずに生活したい

池田さんは、仕事がない日には散歩するのが日課。

年を取って足が弱ってきたことから、鍛えるために歩くようになりました。

(池田さん)
「人に頼らんと、『あれして、これして』って頼まんでも自分で動けることが大事やと思う」

アパートに一人で暮らす池田さんは、2か月前に引っ越してきたばかり。

それまでは、姪が隣に住む一軒家に暮らしていましたが、家を売却。家族に迷惑をかけたくないと、人生の最期を迎える前に身の回りを整理しました。

23年前、胃がんで夫の一郎さんがこの世を去って以来、ずっと一人の生活です。

そんな池田さんにとって今、心の支えになっているのはファンレターです。

2021年11月に自伝『死ぬまで、働く。』を出版。

働く上での考え方などを綴り、読者から感想が届くようになりました。もっと働きたいと思っている人にとって、自伝が一石になれたのではと考えています。

もらった手紙には必ず返事を書くと決めていますが、1日に1通書くのが精いっぱい。働き続ける池田さんにとって、読者からの声は励みになっています。

「動けなくなったら辞める」覚悟

しかし、長時間立ちっぱなしの看護の仕事。年を重ねるとともに体力の衰えを感じ、自分に務まるのか…という不安も持つようになりました。

そんな池田さんは、これまでに3~4回退職願を出しています。

他の看護師たちの足手まといになりたくないという思いからです。

“動けなくなったら辞める”という覚悟はできています。

求められる限り役に立ちたい

社長はどのように思っているのでしょうか。

(社長)
「私たちからしたら(池田さんは)十分働けるんですよ。無理やり働かすということはもちろんありませんが、お体が元気なうちは関わってほしいなと思っています」

池田さんも“求められる間は役に立ちたい”と考えていて、仕事の手が空くと、処置に向かう他の看護師のために、ガーゼを入れる袋などを準備し陰ながら支えます。

仕事中は手を休めないのが、97歳になっても変わらないポリシーです。

池田さんにとって「働く」とは・・・

(池田さん)
「仕事に出てばっかりおるから、家にいると取り残されているような感じがして。みんなと一緒に働きながら仕事をする環境がいつの間にか合ってるようになった」

今日も入居者と向き合う池田さん。
看護一筋80年、目の前に仕事がある限り、働き続けます。