「値上げの春」が続きます。4月は食品だけで5100品目以上が値上げとなり、これは去年の4倍以上の数字です。こうした中、ある名古屋のうどん店は小麦の値段高騰に苦しんでいます


名古屋市昭和区にある「手打ちうどん うえだ」。国産小麦100%が売りですが、「小麦」の価格高騰に悲鳴を上げています。

(手打ちうどんうえだ上田勝己店長)
「5%から10%(価格が)上がっている。結構厳しい」

小麦の価格は「輸入」「国産」ともに高騰。


農林水産省などによりますと、4月から「輸入小麦」の売り渡し価格は5.8%増の、1トンあたり7万6750円。これは過去最高で、コロナ禍前の2019年4月と比べると1.4倍です。


一方、「国産小麦」の価格は「輸入小麦」の価格が高騰していることを受けて、去年から需要が急増、およそ1.3倍に高騰しています。


政府はこれまで緊急措置として、「輸入小麦」に限っては、去年10月から今月までおよそ311億円負担していますが、今後さらなる値上がりが予想されます。

上田さんの店では、かけうどん一杯が一年ほど前は600円でしたが、今は680円に。とり天うどんも80円の値上げで一杯950円です。小麦だけでなく、光熱費や油代も、去年に比べおよそ2倍に値上がりし、経営を圧迫します。

この先の値上げの見通しは…

(手打ちうどんうえだ 上田勝巳店長)
「(値上げを)していかないと難しい。(価格を)上げざるを得ないかな」

小麦以外にも4月から多くの食品が値上げされる見込みです。帝国データバンクによりますと、4月は食品だけで5106品目と、去年と比べて4倍以上になっています。

またことしに入ってから、食品の値上げはすでに1万8000品目を突破していて、これは去年の2倍以上のペースです。

中でも、森永乳業はヨーグルトや練乳など113品目で、最大で28.9%の値上げ。キユーピーはマヨネーズなど36品目で、最大で21%の値上げをします。

日本ハムはハムやソーセージなどあわせて425品目を、内容量を減らすなどして最大で26%の実質値上げです。

また5月については、食品主要195社の値上げ品目数は、去年の3倍ほどになる予定で、「値上げの春」から「値上げの夏」、さらには「秋」まで値上げの波は続きそうだということです。