愛知県の豊明(とよあけ)市役所で、子どもを連れて出勤できる「ワチャ」という制度が試験的に始まっています。20日、実際にその制度を利用した職員を取材しました。

手をつないで歩く一組の親子。向かった先は…豊明市役所です。といっても何かの手続きにやって来たわけではありません。

親子が並んで席に着きます。豊明市の学校教育課に勤める森田愛さん。20日、長男で小学2年生の晟ノ介(じょうのすけ)君(8)を連れて出勤しました。

大人に混じって机に向かう、晟ノ介君。一体どういうことなのでしょうか?


(豊明市子育て支援課 松村清子課長)
「子育て家庭の支援を考えたときに、多様な生き方に取り組んでみてもいいんじゃないかという話になった」

これは豊明市役所で3月6日から試験的に始まった「ワチャ」という制度。職員が子どもを連れて出勤できる取り組みで、「ワチャ」とは、「ワークwithチャイルド」の略です。

連れてきていいのは、小学3年以下の子どもで、2人以上でもオーケー。ただし、託児所は設けず、職員自身が働きながら子どもの面倒を見ることがルールです。

子どもがぐずったときなどに対応できるよう、庁舎内に子どもと一緒に過ごしながら働けるスペースを設けました。

豊明市によりますと、こうした取り組みは全国の自治体で初めてです。

晟ノ介君は、20日学校が休みでした。働くお母さんの横で学校の宿題をしたり、お絵描きをしたりして、過ごしました。

(豊明市学校教育課 森田愛さん)
「見えないところだと何しているかな、大丈夫かなと、不安になるが、隣で確認しながら、ちゃんとお利口さんにしているなと見ながら、仕事ができたのでよかった」

(晟ノ介君・8歳)
「ママの働いているところが見られてよかった」

豊明市によりますと、20日までに子連れ出勤「ワチャ」を利用した職員は7人。今後職員へのアンケートで改善点を洗い出し、本格導入を目指す方針です。