店名は「絶叫居酒屋 あいよ!」に決定


思わず出てしまう声を、逆に売りにして店の名前を決めました。

店内は沖縄民謡でにぎやかにして、トゥレット症の当事者が気兼ねなく楽しめる空間にする予定です。


(配達員仲間の男性)「彼の良さを前面に押し出して、みんなを助けたいとか、同じ病気を持つ人を手助けしたいみたいな、そういう希望を叶えて行けたら良いなと」


そして、配達の仕事を通じて知り合った名古屋市内の海鮮居酒屋へ。


この日は、エプロンを着てスタッフの見習いに。

店で必要な「接客」と「調理」のノウハウを教えてもらうためです。

(大将)「(魚は)持ち上げた方がやりやすい」

(怜音さん)「やっぱり(大将は)すごいな きれい。骨を比べたらわかる」


午後7時注文が入りました。怜音さんの出番です。

(怜音さん)「お待たせしました。ぶりしゃぶになります。つみれをお作りしますが良いですか?」

(若い男性客)「ありがとうございます。やっちゃってください」

(怜音さん)「あいよ!」

(怜音さん)「病気で声が出ちゃうんですよ。これは、うつる病気じゃないんで」


オーダーや皿洗いも手際良くこなします。

店内が騒がしければ“目立たない”

怜音さんの接客についてお客さんは…

(男性会社員)「気にしないで気にしないで」

(怜音さん)「自分がこれ(病気)で不快な思いをさせていないかなって」

(男性会社員)「何の問題もなし!」


にぎやかな店であれば、お客さんも症状が気になっていない様子。店づくりへの自信を深めたようです。

(怜音さん)「店内が騒がしければチックのお客さんが来てもあまり目立たない」

「テーブルの材質もチックの症状でバンバンとたたく子もいるから。普通よりもちょっと造りがしっかりしていた方が安心かもしれない」


(配達員仲間の男性)「その発想、自分にはないな!自分の思うことを形にすることで同じような病気の子も同じように感じているから。改善されて店の良い形にできるかな」

資金調達や店の場所など、オープンに向けた課題はまだまだ山積みですが、前を向いて進むしかない…そんな思いが。

(怜音さん)「居酒屋に入って、『静かにしてもらえますか?』と言われて。遊んでる時もくつろげないのって嫌だなって」


(怜音さん)「自由にここでは壁がありませんよって。そんな店がこの世に一つぐらいあっても、誰にも迷惑はかけないよねって。僕はそう思っています。あいよ!」


取材:CBCテレビ報道部 栁瀬 晴貴(26)
2019年入社。大学時代は劇団の立ち上げやマリンスポーツなど様々なことにチャレンジ。週2回はウーバーイーツを注文。
CBCテレビ公式YouTubeチャンネル『CBCドキュメンタリー』で「トゥレット症のリアル」を不定期配信中。