車の盗難に関する情報提供をした男性に10万円の報奨金が贈られました。通報のきっかけは車のナンバーを見て感じた「ある違和感」からでした。

きょう(8日)、名古屋の中川警察署で行われた贈呈式。「ある事件」の解決につながる通報をした、30代の男性に報奨金10万円が贈られました。

(警察に情報提供した30代男性)
「正直びっくり。ここまで、すごいことになると思っていなかった。通報が逮捕につながったことは、うれしいなと思いました」

犯人逮捕につながった通報とは…?ことの発端は去年10月、名古屋市中川区のコインパーキングに駐めてあった日産の「スカイラインGT-R」。男性は、この車のナンバープレートに違和感を覚えました。

ナンバープレートには地名の横に3桁の数字があり、1桁目の数字にちなみ、3ナンバー、5ナンバーと呼ばれています。排気量や車体の大きさで分類され、一定の基準より小さい車は5ナンバーとなります。

スカイラインGT―Rは、この基準を超えるため本来は3ナンバー。ですが男性が見つけた車には5ナンバーが付いていたのです。

(警察に情報提供した30代男性)
「車の方に近づいて見に行ったら、ナンバーがおかしいと気付いて通報しました」

警察は男性からの通報をもとに捜査を開始。この車が盗難車だとわかり、通報の翌日に男2人を逮捕しました。

自動車の盗難に関する報奨金は去年、1万円から10万円に大幅に引き上げられ、実際に10万円が贈られるのは、この男性が初めてとのこと。引き上げの背景には相次ぐ車の盗難があります。

愛知県内では去年、車の盗難は884件と、前の年に比べて約2割増えていて、全国ワーストです。

車の通信システムに直接つなげて、カギを使わずにドアを開けたりエンジンを動かす「CANインベーダー」と呼ばれる、特殊な機器を使った新たな手口も出てきました。

(中川警察署 豊田俊道署長)
「皆さんの生活のまわりで、ちょっと違う点とか不思議だと思うことが、警察には有益な情報になりますので。怪しいと思った情報は、どしどし警察の方に、お寄せいただきたいと思います」

警察は報奨金の制度をもっと知ってもらおうと、スーパーの利用客らにチラシを配布。市民のちょっとした「気付き」が車の盗難を減らすことにつながるかもしれません。