愛知県知事選挙には、過去2番目に多い6人が立候補した。

結果は、自民党愛知県連や立憲民主党など、主要政党からの推薦を得て組織戦を展開した現職の大村秀章氏が、他候補の追随を許さず4回目の当選を確実にした。

3期12年の県政運営を県民が評価した形となるが、大村氏が初当選した2011年の知事選で、選挙応援をした元大阪府知事・橋下徹氏は「政治家・大村秀章」をどう評価するのか。CBCテレビ「チャント!」の大石邦彦アンカーマンが聞いた。

「政治家としては上手い、ただ良い意味だけではない」

(大石)「大村さんについて、政治家としてはどう評価しますか?」

(橋下氏)「政治家としては上手いな、と思う。ただそれは良い意味だけじゃないですからね。大村さんが初当選した際、大村さんは河村市長の知名度を使った。ただ、当選してからは河村さんと喧嘩している。色んな理由があるにせよ、あれだけお世話になった恩義は感じないんだな、と思う」


愛知県知事として初当選した2011年、大村氏は知名度抜群の河村たかし名古屋市長とタッグを組んで選挙戦を展開。

結果、自民党愛知県連推薦の候補や、当時の民主党などが推薦した候補ら4人を、得票率49%、次点候補に30ポイント以上差をつけ、退けた。

「ムラムラコンビ」と呼ばれた大村氏と河村氏だが、その後、減税政策や国際会議場の建設地などを巡ってすれ違いが生まれる。国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」での展示内容を巡り、二人の関係が決裂したのは記憶に新しい。


(橋下氏)「政治家というのは、色んな人の、色んなものを利用しても、最後自分の地位を守るためには、お世話になろうが斬っていく、というのが政治だとも思う」

河村氏とは対立しつつも、大村氏のその他の関係者への身の振り方については、「上手い」と評価する。

(橋下氏)「大村さんはその後、色々な人たちと関係を構築して、敵を増やさなかった。僕の政治のやり方とは真逆だが、敵を増やさないというのは政治家としては重要。大きな課題があまりない地域で政治をやる時には、大村さん流が良いと思う。しかし、激しい賛否両論がある課題を進めようと思うと、やはり波風を立てながら物事を進めていかないといけない」