ナフサショックの現場取材を続けてきた。自動車、住宅、塗装、水道、美容カット、農業など多岐にわたる現場で取材を重ねて実感したのは、危機が今そこにある業界と、危機がこれから別の形で訪れるだろう業界に分かれているということだ。

前者はシンナー、エンジンオイル、塩化ビニル管などに代表される自動車、塗装、住宅業界。そして、後者の代表例は医療機関ではないだろうか。

名古屋市にある地域の拠点病院、名古屋掖済会病院を取材した。「石油製品がなかったらやっていけない。医療機関は多くの石油製品に支えられている」そう語るのは北川喜己院長だ。

日常的に使用されるマスク、ゴーグル、ゴム手袋、ガウンなどは全て石油製品であり、これらは衛生上の観点から使い捨てになる。つまり、節約が叫ばれても医療機関では当たり前のように大量消費される物品なのだ。

また、注射器も点滴パックも日々消費される医療品になる。掖済会病院の病床数は約600、日々訪れる外来患者も1200人超と多いため、消費されるスピードも早い。もちろん、これは全ての医療機関に言えることだ。