年々全国的に少子化が進んでいますが、特に地方では顕著になってきました。少子化による学校の統廃合も毎年、多く行われています。
岐阜県にある小川小学校も、2021年度末を最後に閉校、隣町の小学校と統合することに。149年の歴史に幕を下ろした学び舎の最後を取材しました。

児童数の減少で閉校される小川小学校


明宝(めいほう)小川地区は、57世帯155人が暮らす小さな集落。自然豊かな山に囲まれた中に建っているのが郡上(ぐじょう)市立小川小学校です。
開校は明治6年で、昭和初期には150人以上の児童たちが通っていましたが、戦後林業が衰退すると共に徐々に少なくなっていきました。


そして2021年度、全校児童はわずか4人にまで減少。6年生の鵜木柊真(うのき・しゅうま)くんの卒業を最後に閉校し、13km離れた隣町にある明宝小学校と統合されることが決まりました。


校長 小田松尚先生
「私もここ(小川小学校)の卒業生なので、自分が卒業した母校(の最後)を見届けるという…何とも言えない思いがあります」


残る3人の児童も、寂しい思いを隠せません。特に5年生の森まどかさんはあと1年で卒業だっただけに複雑な思いを持っていました。

森さん
「悲しい。できれば6年間、小川小学校が良かったです」

兄弟のように一緒に過ごしてきた4人

授業は低学年と高学年に分かれて学んできました。低学年のクラスは、1年生の國原由華(くにはら・ゆいか)さんと3年生の末武駿太郎(すえたけ・しゅんたろう)くん。高学年のクラスは、5年生の森まどかさんと6年生の鵜木柊真くんです。

理解できるまで先生がつきっきりで教えてくれるため、授業についていけなくなる心配はありません。

校長 小田松尚先生
「一人一人にあった学びができるところが一番大きいですし、こどもの良さを力いっぱい伸ばしてあげることが小規模校のいいところです」


運動能力も小規模校ならではで、学校の伝統である一輪車乗りでは、鵜木君は一輪車を乗りながら縄跳びまでできます。


同級生こそいませんが、何をするにもいつも一緒。家族と触れ合う時間より4人一緒に学校で過ごす時間が長いため、必然的に兄弟のような関係になっていました。
6年生の鵜木くんは、みんなからお兄ちゃんのように慕われてきました。

中学校への希望を胸に臨んだ1人だけの卒業式

2022年3月24日。とうとう鵜木くんの卒業式の日がやってきました。4月から通う中学校の制服を着て卒業式に出席するのが小川小学校の伝統です。


大きめの学生服で卒業式に臨み、卒業証書を受け取った鵜木くん。
新型コロナ対策のため、合唱が中止されるなど制限下で行われた卒業式となりましたが、スライドショーに6年間の思い出が映し出されるなど、在校生や先生・そして地域の人たち全員で門出をお祝いしました。


鵜木くん
「思えば6年前、小川小学校に入学した時のことが懐かしく感じられます。みんなで力を合わせた一輪車演技や、昼休みにみんなで一緒に遊んだこと。どれも楽しかった思い出です。6年間、本当にありがとうございました。きょう小川小学校、最後の卒業生として巣立ちます。」

仲間や先生方、地域の方へ感謝の思いを読み上げました。


式典の後は、教室に戻り最後の授業へ。
両親に感謝の気持ちを綴った手紙を読み上げました。


鵜木くん
「6年間育ててくれたお父さんお母さんには、とても感謝しています。お父さんお母さんのおかげで毎日元気に楽しく生活することができました。中学校でも僕らしく頑張るので見守っていてください。」


担任の先生には、サプライズで贈り物も。
休み時間に一緒に遊んだ野球ボールに自身のサインを書いたボール。受け取った先生は嬉しそうに受取り、最後に堅い握手をして別れをしのびました。


鵜木くん
「小川小学校での生活はすごく楽しかったと思う。僕が最後の卒業生というのはすごく悲しいですけど、中学校では勉強を頑張りたいです。」

自分が最後の卒業生になったことを悲しみつつ、中学校生活への希望を胸に卒業。小川小学校の歴史にも幕が降りました。

CBCテレビ「チャント!」2022年3月31日の放送より