アンケートを徹底的に分析「自由記述欄」の声拾う

この背景には、仕掛け人がいるんです。中日ドラゴンズ常務取締役 事業本部長 壁谷浩和さんにお話を聞きました。どのようにして改革を進めたのでしょうか。

一番は「お客様目線を重視」ということで、アンケートを徹底的に分析しました。とにかく自由記述欄の声を拾ったそうです。さらに全国視察も行ったと。

これは、プロ野球だけではありません。Jリーグ・Bリーグ・東京ディズニーランド・USJ・レゴランド、さらには音楽フェスにも出かけて、いろいろと見てきたということなんです。そこでどんな変化があったのか。

約10年前は観戦チケットも9種類しかなかったんですが、今はなんと約10倍の93種類、そして観戦シートも20倍に増えたんですね。

データを取ると2人で見に来るお客さんが一番多いようで、今は、ペア用の観戦シート「でら楽ペア」や、団体観戦もしたいというお客さんの要望にも応えるため、「パノラマわいわいテラス」、さらに昨今要望が増える、おひとり様用の「どら楽シングル」などがあります。

長年かけて、まずはハード面を充実させたのが大きいんですね。さらに近年は、ソフト面も変わってきています。

2022年、立浪ドラゴンズになり、若手選手さらには地元選手が増えました。こうすることによって、ライトな若いファンが応援したくなる同世代の選手が増え、いわば“推し活”しやすいチームに生まれ変わっていたんですね。

さらに壁谷本部長も話していましたが、高揚感を味わえる球場演出も年々増えていると。音楽ライブに近い感覚、例えば得点圏でチャンステーマをみんなで歌って盛り上がるような空間になっているということで、ハードが充実し、その後ソフトが変わって、今の時代にマッチしているから、観客動員は増えたということでした。あとは勝つだけです!!