ないはずの大浴場を「修繕」
たち川は、ことし5月下旬から営業停止1か月前のことし6月末までクラウドファンディングで出資を募っていたのです。
その額2000万円。サイトには使い道について「客足が低迷している。大浴場の修繕を行いたい」と書かれていました。また、すでに設計士らと打ち合わせを行っているなどという記載も。

しかし、そもそも「たち川」が運営していた旅館に大浴場はなく、1階の「大浴場」を運営しているのは、池田町です。町はこうした動きを把握していたのでしょうか?
(町の担当者)
「たち川からの報告も協議もありませんでした。大浴場は(旅館にはなく)1階部分だけだと思う」

Q. 人を欺いて出資を募っていた可能性がある?
「そうなります。大変遺憾に思います」
町の担当者も"寝耳に水"だったクラウドファンディング。結果的に出資者はおらず、1円も集まりませんでしたが、かつて旅館で働いていた従業員の家族はこう証言します。

(元従業員の家族)
「(社長は)ちょっと変わっていた。働く人(従業員)からしてみると(経営方針について)あれ?と思う部分があった。だから、“夜逃げ”みたいなことを平気でやれるのかな」
池田町は「業者と1階の温泉施設は無関係で、温泉は今後も営業を続ける」と話しています。