静岡県との「対話」が難航していたが…?
■2024年3月
(JR東海 丹羽俊介社長)「2027年の開業は実現できない」

JR東海はそれまで目標としていた2027年の開業を正式に断念。大きな要因は…静岡で遅遅として進まない工事でした。
■2017年
(静岡県 川勝平太前知事)「全てデメリットしかない。この工事を静岡県下ですることに対し、断固猛省を求めたい。考え直せということです」

静岡の川勝前知事が「水問題」などを理由にストップをかけ、膠着状態に。去年5月に就任した鈴木康友知事はリニア推進の立場ですが、そもそも「水資源」や「生物多様性」など28の項目について、県とJR東海での「対話」を終えることが工事着工の条件。

鈴木知事はこの「対話」について「年内に終了するのは難しい」という認識。静岡での工事は10年程度の工期が予定されているため、リニアの開業は早くても2036年以降になる見込みです。
しかし、ここへきて鍵を握る両者の「対話」が確実に前進。
今月2日に開かれたリニア工事に伴う影響や対策を話し合う静岡県の専門部会で、県が課題にしていた28の項目のうち新たに2つの項目が了承されました。これでリニア着工への最大の障壁だった「水」に関する議論が全て完了したことになります。
しかしこれですぐに静岡での工事が始まるかというと、そうではありません。「生態系への影響」や「工事で出る土の問題」についてまだ18の課題が残されています。品川ー名古屋間の当初の開業目標は再来年ですが、静岡工区はいまだ一切工事が始まっていません。