流通網の課題と小泉大臣の“成果”への疑問
もし、この卸売りを飛ばすとなると、精米は備蓄米を落札した業者か、小売り業者が担当することになりますが、それができる業者は限られます。例えば、米屋にある精米機を稼働させることも視野にあるようですが、果たして大量の備蓄米をどうさばかせるのでしょうか?やはり、課題は長年かけて構築されてきた流通網を変えられるかどうかにかかってきます。「6月頭に2000円台」は実現できても、流通量は少なく、コメ不足解消にはならないでしょうし、見せかけの公約達成では国民は納得しないでしょう。

小泉大臣がスーパーなどを回ったところをカメラに撮らせ、「やっている感」を演出しているようにも見えますが、実際に結果を出せるのでしょうか?
国民には安くなる備蓄米の価格ではなく、備蓄米の流通量が増え、2か月経過してもわずか1割程度の流通量を増やせるのか、そこに注目してほしいと思います。ただ、これまで目詰まりを起こしていた備蓄米はそろそろ店頭に並ぶそうです。それも全て小泉大臣の手柄になってしまいそうですが、アピールともとれる参院選前のパフォーマンスと過熱報道にはあえて自戒の念を込めて水を差しておきたいと思います。日本の食の未来は決して劇場型で決めてはなりません。
