江藤前農水大臣の「コメは売るほどあります」発言で状況は一変、農水省の顔は小泉進次郎大臣に代わりました。「農協改革」を訴える小泉大臣と「郵政改革」で郵政民営化を実現した父、純一郎元総理が重なって見えます。就任早々、「コメ価格に水を差したい」「備蓄米を6月頭には2000円台に!」と威勢のいい大号令も出しましたが、そのようなことができるのでしょうか?集荷、卸売、小売などそれぞれの業者を取材しました。

備蓄米は古古米で「2000円台」が実現可能

政府は備蓄米を競争入札から随意契約へ変更しました。これにより、国が任意で選んだ業者に、話し合いはあるものの国が決めた購入金額を指定できるため、「国の安くしたいという思惑」が働き、価格はかなり抑えられるはずです。そして「安くなる」最大の要因。それは、次回の備蓄米は22年産の古古米が中心となることです。コメ業者らに聞くと、古古米は「味はかなり落ちるだろう」と予測しています。「…だろう」という表現には理由があり、コメ関連業者の多くは「古古米」を食べたことがないので味は未知数だというのです。

しかし、味はともかく、古古米ゆえ当然安くできますし、古古米なら安くしても、生産者や市場の理解も得られやすいのです。つまり、備蓄米2000円台は実現可能なのです。小泉大臣は、流通経路の効率化のため、集荷業者から直接小売りへの配送や、楽天を使ったネット販売も検討しており、スピード感のある供給を目指しています。