「久しぶりだね。大きくなったなぁ。君みたいな若者が幸田町を盛り上げていかなきゃいけないんだから」

張りのある声で男性にこう話しかけるのは、俳優の竹中直人さん。これは、愛知県の蒲郡市と幸田町が舞台の短編映画「『街』の記憶、僕の未来」のワンシーンです。

竹中さんは俳優の高橋ひとみさんとみかん農業を営む夫婦役で出演。映画は内気な性格の主人公の青年が、忘れていた自分の記憶をたどりながら過去と向き合う物語です。

(高橋ひとみさん)「街は人なんだから元気が一番」
(竹中直人さん)「街が人っていうのはおかしいでしょ」

この日(3月11日)は、最後の撮影日となりました。

(竹中直人さん)
「5年前『ゾッキ』という作品で監督をした。そこで蒲郡という街を深く知った。久しぶりの蒲郡はとても柔らかく、いい香りがして落ち着く」

(高橋ひとみさん)
「最近もドラマでこちらに来させていただいているし、何度も通っているんですけど、本当に美しい場所で食べ物もおいしくて。撮影があるって言っただけで飛び込んできた感じ」