全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、長野県にある千曲川の水害と闘ってきた“廃道”を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)
※許可を得て撮影しています。廃道は危険ですのでむやみに立ち入らないでください。

悲願の末に完成した崖下の「半過洞門」

長野県を流れる「千曲川」は、新潟県では「信濃川」と呼ばれる、全長367kmの日本一長い川。長野県は地形が複雑急峻(きゅうしゅん)のため、洪水や土砂災害の影響を受けやすく、昔から住民たちは「千曲川」の水害に悩まされていました。

そんな「千曲川」の左岸には、県の天然記念物に指定されている断崖「半過岩鼻(はんがいわばな)」が存在。そのすぐ脇には、かつて使われていた「半過洞門」があります。

千曲川の氾濫に悩まされながらも、住民にとって悲願だった道を険しい「半過岩鼻」の下に開通させました。「半過洞門」の近くには、道の完成を祝う記念の石碑が建てられています。

「半過洞門」の近くには、さらに古い時代に使われていた廃道が存在。昭和8年まで使われていた、明治42年竣工の「影通(かげどおり)隧道」が山中に眠っています。近くの集落に電気が通る前、村落で唯一電気がつく場所だったこの隧道で、夜な夜な人が集まって話をしたり演奏したりしていたと道マニアは言います。