記録的な円安の中、「日本売り」の事態に商機を見出している企業があります。

三重県鈴鹿市の酒造メーカー「清水清三郎(しみず・せいざぶろう)商店」。手掛けているのは、2016年の伊勢志摩サミットで「乾杯酒」に採用され人気を博した「作(ざく)」をはじめとする日本酒です。


(清水清三郎商店 清水慎一郎社長)
「これは香港行きです。ここまで全部。これはオーストラリア」

中国や韓国、フランスなどおよそ20か国に、日本酒を輸出しています。



(清水清三郎商店 清水慎一郎社長)
「この部屋で冷蔵して貯蔵している。こういうところが電気代かかる」


品質を守るために、部屋によっては室温を2℃から3℃と、夏でも寒さを感じるほどに保つ必要があり、電気代の高騰は大きな痛手です。

欧米を中心に海外からも高い評価を集める日本酒。急激な円安は輸出には追い風となりますが、実はこの会社、海外の会社と「円建て」で取り引きをしているため、為替変動の大きな影響はないとのこと。

それでも、海外での日本酒ブームに加え、記録的な円安で安くなった日本製品に注目が集まっている影響もあって、ここ数か月、海外部門の売り上げは去年の1.5倍に増えているということです。



(清水清三郎商店 清水慎一郎社長)
「より一層日本酒が(海外の人にとって)手に取りやすいものであれば、これを機会に(需要が)増えていくことが期待できる」