夏休みが明け、2学期が始まるこの時期。「学校に行きたくない」と思いつめ、自殺する子どもが増える傾向にあります。いじめや学校に馴染めないことで、死を選ぶ子どもがいるのです。どうすれば悩んでいる子どもを救うことができるのか、取材しました。
9月1日は1年間で一番自殺する子どもが多い日

「2015年版 自殺対策白書」によると、1年間で自殺する子どもが最も多いのが「9月1日」、2学期の初日です。他の日と比べて突出していて、約40年間で130人近くの子どもが自殺しています。
“学校”と言う場所に絶望している子どもが少なからずいる事の表れとも考えられます。
愛知県岩倉市にあるカフェ「いわくら大地の里の家」。夏休みの間も、週に1度の子ども食堂を続けていました。
(小学5年生の男の子)
「どちらかといえば、夏休みが終わるのが寂しい」
(小学3年生の女の子)
「(夏休みは)いつもグータラしていたから、早起きするのに慣れてない」
子ども食堂を運営する須崎とも子代表は、日頃から子どもたちの小さな変化に目を配っています。

(子どもおむすび食堂・須崎とも子代表)
「『始まるよね学校』みたいな雰囲気。いつも来てくれる子だと、ちょっと元気ないかなとかわかると思うので、声かけをできるだけする」
特に2学期が始まる直前は、いつも以上に注意深く子どもと向き合っています。
「死んでしまいたい」ネットの掲示板に寄せられる子どもたちの心の叫び

名古屋市内にあるNPO「チャイルドラインあいち」では、少しでも子どもたちの気持ちが軽くなればと、ホームページ上に悩みを自由に書き込む掲示板を用意しています。
ネットを通じて寄せられた子どもたちのつぶやきには、“生きている意味が分からなくなる”や“死んでしまいたい”という言葉が。
また廊下の壁は、子どもたちの声を書き留めた100枚以上のメモ書きで埋め尽くされていました。メモには“悩みを相談する人がいない”や“スマホでつながっていないと不安” と学校を巡る様々な心の叫びが。
こちらのNPOでは電話相談も行っていて、多い日は50件ほどかかってきます。

(チャイルドラインあいち・髙橋弘恵専務理事)
「友達ができないで悩んでいる子は、2学期もひとりぼっちなんだろうかと不安。いじめられていた子は、またいじめられるんだろうかと不安がある」
子どもを救うためには「こうしたらいい」という特効薬はないため、社会全体で変わっていかなければならないと考えています。