愛知県一宮市で、神社にある銅でできた吐水口(とすいこう)の盗難が相次いでいます。何とも罰当たりな行為です。

一宮市の石刀(いわと)神社。水が噴き出していたところには元々、竜をかたどった「吐水口(とすいこう)」がついていましたが…




(記者)
「手水舎の吐水口にあった竜が盗まれたということです」

8月21日、この神社を管理する木全寿枝さんが参拝客から、「手水が壊れている」と連絡を受け、被害に気づきました。


盗まれた竜の「吐水口」は銅を含む真鍮製で、30年以上前に取り付けられ、約30万円で購入したといいます。


(石刀神社を管理する木全寿枝さん)
「竜がいなくなると思ったこともなかったので、本当に頭が真っ白になった。何も考えられない」

竜の吐水口は参拝客からも親しまれてきました。

(参拝者)
「(木全さんが)精魂込めて手入れしていたからさみしい」

今はプラスチック製の筒で代用しています。


(石刀神社を管理する木全寿枝さん)
「竜はうちの神様の髄身(ずいしん)、家来の神様。なにも言わないので、できれば返してもらいたい」

同じ日、石刀神社からおよそ1キロ離れた、一宮市の伊冨利部(いぶりべ)神社でも竜の吐水口が盗まれているのがわかりました。


一宮市内ではこのほか3か所の神社で吐水口の盗難被害が確認され、隣接する岐阜県でも同様の被害が。


警察は、銅の価格高騰を背景にした転売目的の犯行とみて、連続窃盗事件として捜査を進めています。