メリットはないが「二世」と認めてくれる証明に

子どもたちに見せた1冊の手帳。「被爆二世健康記録簿」と記されています。ことし2月、県から受け取りました。

(鈴木理恵子さん)
「被爆者は『被爆者手帳』というものがあるが、被爆二世にはこういう手帳がなかった。二世として行政が認めてくれる証明になるものだと思う」

被爆者団体の長年の要望によって、3年前から配布されている被爆二世健康記録簿。

現在、発行予定がない青森や岩手、検討中の北海道や大阪などを除く35の都府県で交付されています。しかし、年1回無料で受けられる健康診断の結果を自分で書き込んでおくメモ帳のようなもので、被爆者に保証される医療費の補助などは受けられません。

(鈴木理恵子さん)
「医療費の補償(助成)は全くない。行政にも『メリットがない』と言われた」

過去の裁判でも認められていない被爆二世への補償。それでも、この手帳は大切なものだといいます。

(鈴木理恵子さん)
「被爆者も高齢化してきて、その思いをわたしたち(被爆二世)が受け継がないといけない」