飲食店の倒産件数は過去最多に 人気カフェでも閉店

2023年度の飲食店の倒産件数は過去最多の802件。東海3県では「喫茶店・カフェ」が「居酒屋・ビヤホール」と並んで16件でトップでした。
中には、人気があるのに閉店したケースも。平成初期のキャラクターグッズが店内を飾る名古屋市西区の食堂カフェ「むむむ」は、カラフルなクリームソーダや手作りのプリンやケーキなどのスイーツが人気で、多くの若者が訪れていました。
手作りのランチも人気で、お昼時はいつも盛況。牛肉100%のこだわりのハンバーグは、週末だと約50食の注文が入っていたそうです。3年前のオープン以来、多くの客で賑わっていましたが、2024年5月6日に閉店しました。
満席が続くほど客が来ているにも関わらず、利益は伸びなかったと言います。ゆっくり、のんびり時間を過ごせるのがカフェ最大の魅力ですが、店側の目線に立つと、「客単価が低く、回転率が悪い」ということにも。
(むむむ・中村茜音さん)
「客数、客単価、回転率で(売り上げの)マックスが見えている。どれだけ頑張っても、ランチだけで店を経営していくのは厳しい」

原材料費や光熱費の高騰が続きましたが、最寄りの駅から1キロほど離れた立地を考えると、値上げは難しいと見送ったそうです。儲けがあまり出ない中、夜の営業も行いましたが、思うように客は集まりませんでした。
さらに、新たにキッチンカーの事業を始めたこともあり、人手不足が深刻に。中村さんは、週6日の店の営業に、キッチンカーも加わり、ほとんど休みなしになりました。限界を感じ、悩んだ末の結論が、閉店だったそうです。
現在は、駅前に物件を探し、カフェではなく、人気だった料理の腕を生かした夜営業中心の飲食店として再出発することを決めています。
(むむむ・中村茜音さん)
「次の店も、絶対に来てもらえるようなお店づくりをしたい」
憩いの場として、新たに生まれ続けているカフェ。しかし、それ以上のペースで消えていく店もまた増えています。
CBCテレビ「チャント!」2024年6月5日放送より