「捜査本部」というアカウントから “ニセの逮捕状”

これは、男性と警察官を名乗る男らとの実際のLINEでのやりとりです。
「捜査本部」というアカウントから送られてきた画像には「逮捕状(緊急逮捕)」と書かれ、男性の「氏名」や「誕生日」「住所」などの個人情報が正確に記されていました。
この逮捕状は「ニセモノ」でしたが、男性は…。
(被害者)
「思い当たる節が全くなかったので、身の潔白を証明したい一心で『(捜査に)協力はできる範囲でしたい』と動揺しながらも思っていた」

男らは男性に「金の流れを調べるため、口座の金を全て振り込んでほしい」と要求。
男性は指示に従い、ネットバンキングで61万5000円を振り込んでしまったということです。
名古屋市千種区内では、5月に別の40代の男性も「あなたの口座が振り込め詐欺の振り込み先になっている」「口座の中のお金を調べたい」などと言われ、約200万円を振り込んでだまし取られたとのこと。
男性が自宅で犯人とビデオ通話をした際、自宅には家族もいましたが…。
(警察を名乗る男)
「捜査中のため、家族でも話してしまうと罰せられる」
「家族を守るためにも言わないように」
犯人は巧妙に男性を「誰にも相談できない状況」に追い込んだということです。

全国で相次いでいる警察官をかたった詐欺事件。
茨城県では38歳の男性が現金約1億円をだまし取られたほか、関東地方に住む別の20代の男性には「愛知県警」の文字が入ったニセの逮捕状が示された事件もあったということです。
(愛知県警 生活安全総務課 尾﨑昭裕 警部)
「警察官がSNSを使って逮捕状を示したり、警察手帳を見せることはまずありません。詐欺を疑ってほしい」
愛知県警は「不審な電話がかかってきたら、すぐに切って近くの警察署に相談してほしい」と呼びかけています。