仮囲いなしは“建築基準法違反” 知らなかったのか…業者は「はい」

私たちは、解体工事に詳しい専門家にも見解を聞きました。

(一般社団法人 あんしん解体業者認定協会 中野達也理事)
Q望ましくない点というのは?
「重機の転倒の危険性が高くなる。あとは、コンクリートのガラを見ると、道路の方までかなりなだれ出てしまっている。通行する方や車両に接触などのリスクが絡んだ工事だと感じた」

現場確認を済ませた市の担当者は…

(名古屋市 建築安全推進課 飯田哲也さん)
「解体工事には仮囲いが必要になる。今回、西側と北側の道路面に仮囲いがない。厳密に言うと建築基準法違反になる」

建築基準法では、木造以外の建物で2階建て以上のものは解体の際に仮囲いが周囲に必要で、この現場は「囲い方が不十分」と判断されました。

しかし、工事の責任者は…

(解体現場の責任者)
Q囲いがないと違反だと知らなかった?
「はい」
Q知らなかった?
「はい」

「違反している認識はなかった」と繰り返す工事責任者。

私たちの取材に対して「あす(20日)までに不足している部分にシートで囲いをする」と話しました。

また、粉じんで汚れた住民の車の洗車費用を支払う意思も示しました。

この解体現場が「危険」だと思わない感覚に、住民は何よりも怒りをあらわにしていました。