ステージ4のがんを患う祖父に祝福されて…2か月遅れの結婚式

平野さん夫婦は、別の式場を探し、予定より2か月遅れで式を挙げることになりました。契約にあたっては、式場の経営状態なども慎重に調べたといいます。
それでも、2人がなるべく早く結婚式を挙げたかった理由は、紗弥香さんの祖父・喜八さんが、ステージ4のがんを患っていたから。祖父が元気なうちに式を挙げ、大人になった姿を見せたいというのが2人の思いでした。
2023年12月、2人のこだわりと喜八さんへの思いを込めた結婚式が行われました。喜八さんもカメラを構え、笑顔の2人にシャッターを切ります。
披露宴でのお色直しでは、喜八さんが紗弥香さんをエスコート。少し照れながらもしっかりとした足取りで一緒に歩きました。
(妻 紗弥香さん)
「小さい時、大事にしてくれてありがとう」
(祖父 喜八さん)
「今でも大事だよ。ずっと大事、死ぬまで大事。よかったな」
突然の苦難を乗り越え、平野さん夫妻は笑顔で前を向いて歩き出しました。
(夫 弘憲さん)
「いろいろありましたが、無事にきょう、この幸せな日を迎えることができて、本当に心から喜んでいるし、感謝しています」
一方、破産した式場は、この8か月で建物の劣化が進み、売却のめども立っていません。門出を迎えるはずだった人々に損害を与えたまま、廃墟と化した白亜の建物のみが、ひっそりと残されています。
CBCテレビ「チャント!」4月10日放送より