いまや私たちの生活に欠かせないQRコード、30年前の1994年3月14日に特許が出願されました。
誕生のきっかけは何だったのか、開発した愛知県の企業を取材しました。

スマートフォンの普及も相まって、今や世界中で活躍しているのが『QRコード』。
開発したのは、愛知県のデンソーで30年前の3月14日に特許を出願しました
QRコードのQRは「クイック・レスポンス」の略で、その名の通り0.03秒という超高速で読み取れるのが特徴です。
電車のホームドアや電子チケットなどの他、納税からお賽銭に至るまで世界中の幅広い分野で活用されています。
(20代女性)
「メニュー、料理を頼むときにQRコードを読み取って(頼む)」
(60代女性)
「お店とかでも見るし、雑誌などにも、よくある」
(50代男性)
「自分のメールアドレスをQRコードにする。毎日、使っていると思う」

いまから30年前に、このQRコードを開発したのは、自動車部品大手の「デンソー」。
開発に携わった原さんは、もともとバーコードを読み取る機械の開発などを手がけていましたが、現場の作業を見てバーコードの限界を感じたと言います。
(デンソーウェーブ 原昌宏さん)
「当時バーコードは20文字程度しか扱えなかった。バーコードを10個くらい並べて、それを一つ一つ読み取っていた。それを1日に何千枚も読ませると、作業者の疲労の原因になる」

当時、デンソーでは自動車部品などの管理に「バーコード」を使っていましたが、「バーコード」で読み取れる情報は20文字程度。1箱のダンボールに「バーコード」を何枚も貼り付けて読み取る必要がありました。
そんな手間を解決するため、開発されたのがQRコード。
読み取れる情報は、バーコードの200倍に及びます。

さらに汚れやゆがみにも強い他、最大で3割程度隠れても読み取れる仕組みになっているのが特徴で、工場などで汚れたとしても正確にデータを読み取ることができます。
どのようにして、この技術が実現したのか。
ヒントは意外なところにありました。