2日連続1000人を超える新型コロナ感染が確認されるなど、感染が急拡大している島根県は12日、PCR検査を行わなくても医師の判断で感染者とする「みなし陽性」の対応を始めると発表しました。

突然の出来事に、現場の医師からは困惑の声も。

「春木内科ですけども。お加減いかがですか?」
医師が新型コロナ感染患者へ電話かけて聞き取ります。


島根県松江市内のクリニック。
保健所の対応が追い付かず、いまや医師がコロナ患者の体調を確認する状況となっています。

「みなし陽性」診断の対象となるのは、感染者の濃厚接触者に症状が出た場合で、山陰両県では初めての対応です。

「みなし陽性」の導入に、医師は…

春木内科クリニック 春木伸彦 院長
「検査を待っている間にどんどん病状が悪化していくリスクもあると思いますが、みなし陽性という判断をすれば、早めに介入、治療ができる可能性があります。ただ、みなし陽性をどういう風に判定するか、我々の現場でも混乱があるのも事実です」

感染者へのスムーズな対応や早めの感染の抑え込みなど、メリットも感じる一方、課題もあると話します。


春木内科クリニック 春木伸彦 院長
「別の病気で熱が出ているのにコロナにされてしまって診断が遅れてしまう懸念もあると思います。逆に言うと、みなし陽性の診断は、検査をするよりも慎重にならざるを得ないかもしれません」

また、クリニックではオンライン診察を行っていないため診察の体制にも不安を抱いていると言います。

春木内科クリニック 春木伸彦 院長
「かかりつけの患者さんは高齢者が多くて、できて電話診察。電話で様子を聞いて、患者さんの病状をある程度聞くんですけど、患者さんの声のトーンとかで判断していくしかないのかなと思います」

通常診療への影響も懸念されるなか、松江では、初めての事態が始まろうとしています。