慣れた手つきでさい銭箱の引き出しを開けると、迷いもなく、中に入っていたお札2枚をつかみ、そのまま上着の右ポケットに入れました。

その後、ジャラジャラと音を立てながら、小銭を10枚ほど拾ってそれをポケットに入れると、再びさい銭をあさります。

小銭を集めてポケットに入れる行為をおよそ10回も繰り返します。
最後は、さい銭箱の底が露わになるほどスカスカな状態になってしまいました。

残されたのは、1円玉や5円玉ばかりのように見えます。

そして男はさい銭箱の引き出しを元に戻すと、人目を憚ることなく帰っていきました。

犯行はわずか5分の出来事でした。

そしてその3日後、男が再びやって来ます。またヘルメット姿で。
自転車で移動しているのでしょうか。