独自の「錆和紙」という表現で創作活動を行う、島根県浜田市出身の現代アート作家の女性がいます。
彼女が島根県に約3か月間滞在し創作した作品が出雲大社に奉納されます。

錆和紙アーティスト 伊藤咲穂さん
「闇から和紙の白地に光がさして命が生まれる瞬間」

浜田市出身の現代アート作家・伊藤咲穂さん。
今年4月から約3か月間、出雲大社そばの旧家に滞在し創作活動に取り組んでいます。

錆和紙アーティスト 伊藤咲穂さん
「言いあらわせないくらい関わる方が縁をつないでくださいましたし、きれいな水玉が1人1人にあると気づけた」

伊藤さんの作品は、砂や土などの鉱物と和紙を混ぜ合わせることで生み出される「錆和紙」を使い表現します。

錆和紙アーティスト 伊藤咲穂さん
「自分は島根の恵みを通じて表現が生まれたんだなということを感じた。アート作品を作ることで、土というものがもしかしたら自分たちを構成する一部かもしれないと感じてもらえるかもしれない。土地の人々と土地を結ぶ」

今回、島根に滞在したのは、出雲大社などに奉納する作品を制作するため。
錆和紙に向き合う原点となった幼少期を過ごした島根の土地に恩返ししたいという思いからでした。

滞在中のテーマは「土に寄り添い、土地と人々を結ぶ」。
地域の人たちとの交流を通じて感じた感性を作品に表現していきました。

錆和紙アーティスト 伊藤咲穂さん
「出雲大社が(地域の)人々が信仰するもとだと気づいて、人と土地を結ぶことにつながる、人の命を礼拝していくことに滞在で気づいた」

そして、完成した作品が「命の礼拝」。
和紙の原料に稲佐の浜の土や地元で採取した砂鉄を混ぜ込み、それを幾重にも重ね「闇」を表現。人々の無数の命を表現した水玉が集まり、闇から光がさし込むような神秘的な作品です。

伊藤さんは今回の滞在で、自身の新たな可能性を感じることが出来たと話します。

錆和紙アーティスト 伊藤咲穂さん
「こういう作品が出来ると思わなかったので、滞在できたこの時間が今後の自分のアート作品を作るうえで基盤になる。活動の軸になっていくことは確信している」

伊藤さんの作品は7月10日から、出雲大社、出雲大社北島国造館、万九千神社に順次奉納されます。