JR山陰線で運行されている観光列車「あめつち」が19日、営業運転で初めて木次線に乗り入れました。
今年度で引退するトロッコ列車「奥出雲おろち号」に代わるための体験乗車が行われたのですが、そこでは課題も見えてきました。

入江直樹 記者
「空と海の青、そして山並みやたたらをイメージした銀の車体の「あめつち」にとって、木次線乗り入れは意外とピッタリはまるものかも知れませんね」

19日朝のJR松江駅にやって来たのは、普段はJR山陰線で運行している観光列車「あめつち」。
6月行われるモニターツアーの関係者試乗会が公開されました。

四半世紀余りにわたって木次線で多くの観光客を楽しませてきた観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」は、老朽化により今年度で引退します。

そこで「あめつち」がその跡を継ぎ、来年度以降、木次線を走る計画です。

試乗会では沿線自治体の関係者が、車内で提供予定の特製弁当など、ツアー内容を確認しました。

雲南市 石飛厚志 市長
「おいしいですよ。ゆっくり景色を見ながら食べられます。窓を開けて手を振るようなコミュニケーションが取れる路線になればと思います」

島根の味覚をふんだんに盛り込んだ弁当のほか、途中の駅でそばやスイーツなどを買える「おろち号」のスタイルも引き継がれる見込みです。

「あめつち」が島根県奥出雲町の出雲横田駅に着くと、そこから乗客はバスに乗り換えて、4コースある沿線ミニツアーに分かれます。

おろち号の場合は多くの乗客が列車で往復してしまうため、周辺地域には効果が及ばなかったとの反省を生かし、周辺地域を巻き込み観光客を迎える体制をつくるのが狙いです。

雲南市 石飛厚志 市長(木次線利活用推進協議会会長)
「おろち号とは違う楽しみ方ができる形に持って行きたいなと思っています。飲食も楽しんで、降りてからも楽しんで頂ける、新しい魅力を発信していきたいと思っています」

ただ「あめつち」の運行には、いくつかの課題も予想されます。